●頭と尻尾はくれてやれ
講釈:
頭と尻尾って一体どのくらいなのであろうか。魚には食事としか興味はないし、ましてやフィッシングなんかこれまでの間に一度も嗜んだことがない。で、フリーソフトから鯛の写真を拝借して、実際に各部を計測してみた。
全長が185mmで図のように頭部が40mmと尾ひれも40mmで、これらををぶった切った胴体は105mmであった。率にして54%ちょい。半分強だ。なんだ、そんなに捨てなきゃならないのかと腑に落ちなかったが、よくよく考えてみると、フィボナッチの76.4%~23.6%の幅は52.8%であることに気づいた。半値なのだ。これはなんてすごい発見をしたのだろう、こんなところにもフィボナッチの黄金比は息づいているなんてと悦に入ったが、それよりもすでにその真理を見抜いていた先人の識見に舌を巻いたのだった。そうだ。昔の人は、お魚くわえたドラ猫を追いかけまわさずに、頭と尻尾はちゃんと投げ与えていたんだな。『捨』の精神と言おうか、次のトレードではその捨てた分を取り戻して余りある利益を得ることができるのをちゃんと知っていたのだ。
しかし、ふとまた別の疑問が生じた。いくら魚の王様と尊ばれているかもしれないが、この鯛のようなずんぐりむっくりな体型ばかりが魚類ではなかろう。秋刀魚や飛び魚みたいなしゅっとした長身のお魚もいるだろう。そいつらは胴体が長そうだぞ、そうなるともっと食べられる部分が多いのではないか?ということだった。そして次のさんまの写真で同じように計ろうとしたが計るまでもない。目測で十分だ。
その事実に筆者はがっかりした。秋刀魚にはフィボナッチの黄金比は通じないではないか。稀代の大発見はもろくも潰え去ったのだ。しばらくこれら2枚の写真を眺めてはため息ばかり。しかし、酒に助けを借りようとしていたその矢先、ひと筋の光明を見出した。偶然に90度回転させた写真を見たのであった。
そして拙いながら、それらの縦長写真にマジックペンで描画した。そしてある結論に至ることができた。
一方、ずんぐりむっくりの鯛はどうだ。これは保ち合い相場を表していると言えそうだ。胴体との境界線、つまり支持・抵抗ライン近辺では、逆張りの売買が行われる。つまり、売ったり買ったり、保ち合い期間が続く間は何度でも儲けることができる。だから、利益幅は全体の半分位にしておかなければならないのだろう。欲張れば、逆勢力にやられて、あっという間に利益は激減するというわけである。
筆者はこれで納得した。やはり先人たちは真理を語っていたのだ。
≪了≫
◆相場格言曲解講座
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