百貨店株の上昇に乗ってはいけない気がする。やるならショート目線で。
前回記事でとりあげた求人関連株は、筆者的には縁がなく、全くトレードしていない。むりにでも手掛けておれば、先週は大儲けできたのにな。残念。
というわけで、今回のテーマは小売り業種の雄・百貨店株となる。
8/31の日経朝刊「スクランブル」欄で、『百貨店株「浮上説」に暗雲』なる記事が載った。
記事によると、アメリカの百貨店が8月に急上昇を演じており、日本のそれも連動するのでは?という思惑で「9月浮上説」というのがもともと存在していたらしい。それが、日米のコロナ対策の違いで、ここにきて疑問符がついているというのだ。
前日では、三越伊勢丹株や高島屋株が上昇していたにもかかわらずだ。頭を冷やせということか?
そんな変な話がずっと気になっていたところ、昨日またスクランブル欄で『株「菅トレード」逆回転』なる記事が掲載された。菅首相の実質退陣表明で、通信大手や小売り業種などに買いが入ったという記事だ。百貨店株の上昇はコロナ対応進展の思惑が背景ということらしい。
書き手は同じ人物かどうかは知らないが、二つの記事から導き出されるのは、いかにファンダメンタルによるトレードがナンセンスか、ということだ。記事内容に一喜一憂して売ったり、買ったりを繰り返すほどばかげた話はない。
やはり、テクニカル分析が先にありきである。
というわけで、百貨店株のチャートをいくつか見てみよう。
<8242>H2Oリテイリング 週足
<3099>三越伊勢丹 週足
<8233>高島屋 週足
チャートで書き入れたラインはエリオット波動に基づくもので、3社とも上昇トレンド中の現在は調整第2波ということがお分かりだろう(黄色の太ライン)。これは月足ベースの波動と考えていただこうか。
またオレンジ色細線は、黄色線の内部波動を示したものであり、こまかく波動分けしたものであると考えてもらえればいい。その区切りの仕方でいえば、上昇5波が終わったあとのABC修正波というのが現在値なのだろう。これは週足ベースでの波動の表現となる。
すなわち、月足では第2波動目、週足ではA波終盤またはB波が始まったところ、という感じだろうか。
チャートの形は少しだが三者三様であるが、共通するのは三社とも第3波を形成するためには、すなわち、ここから大きく羽ばたくためには、6月半ばにつけた月足ベースの直近高値を突破せねばならないということだ。
それには相当のエネルギーが必要だ。そして2波というのは3波構成だから、ここから上昇したとしても、1波手前でまでで反転しもう一度安値を試しに行くと考えられる。
ここから導き出される結論は、百貨店株は長期ではまだ買えないということである。買えるとしたら、第1波の頂点を超えてからか、それぞれの週足で見えている一目均衡表の雲を下抜けた後、下落が止まるのを見届けてからということになる。
しかしながら、筆者にしてからが、本来長期トレーダーではない。長期トレードでは買えなくとも短期目的なら買いのチャンスはいくらでもあるにちがいない。
今度は日足を見てみよう。上と同じ順番である。
一番上のH2Oリテイリングだけ週足ベースのA波動が3波構成となっている。もしかしたらまだもう1波動残っているかもしれない。もしそうなら、これは来週早々からでも下落するかもしれない。うす青色の点線枠で囲ったように、7/29の大陰線が効いていそうだ。
一番で遅れているのは高島屋か。下落波動の後の反発が上記2社に比べて弱い。
この理由は一体何なのだろう、と考えてみた。
個別のファンダメンタルは知らない、興味もない。ただひとつ、その手掛かりなのは、上記2社が2月決算なのに対して、高島屋だけは3月決算ということに関係しているのかもしれない。
2月決算会社にとって8月末は中間期末であるからより買われていたのではあるまいか、という推理である。
ならば、この9月に上昇しやすいのは3月決算の高島屋だろう、が成り立つ。短期目線で買うならこの会社である。
しかし、9/4記事の内容を信用するなら、つまりコロナ対応の思惑で上昇したとするならば、これから9月終わりの総裁選結果が判明するまでは、有力候補のコロナ対策の中身によって、百貨店株(だけじゃないが)は右往左往させられるだろう。
なので、高島屋だけはロングとしたい感じもする。残り2社は下落こそ免れるやもしれないが上昇幅もあまりなさそうだ。
でも、そんな相場観も9月までのことで、新首相が誕生すれば材料出尽くしとなり、3社とも下落していくような気がしている。
少なくとも、波動からはそんな動きになりそうである。
以上、天井騒ぎの【今日の邪智】でした。ご清聴ありがとうございました。
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