日経平均の「掉尾の一振」あるか?
日経平均がなかなか思ったように上がってくれない。筆者的にはもうすでに3万円に乗せていてもいい頃だと思っていたが、今だ28700円台をウロウロしている。
インフレ懸念やオミクロン変異株禍など市場を取り巻く環境は厳しいには違いないが、ここまで低迷するとは思っていなかったというのが、年末を迎えての正直な感想である。
一方、年末が近ずくにつれ「掉尾の一振」を期待する向きも多くなっているようだ。ヤフーファイナンスや株探に寄稿するアナリストたちの評論もタイトルだけを見る限り、明るいものが多くなっていると感じる。
そこで今回は果たして日本株は本当に浮上するのか?を筆者流に分析してみたい。思い込みの多い筆者であるから、論理の飛躍や過度の期待が入っているかもしれない。読者はそこん処を鑑みて、論調の7,8割程度割り引いて読んでもらいたい。
ではまず、日経平均株価の日足チャートから見てみよう。
ご存知のように、昨年3/19よりコロナ暴落からの見事な復活劇を演じた日経平均であるが、今年9/14の30795円を天井をつけて以来、調整相場になっているというのが現状である。
まず問題にしたいのは、8/20安値(赤色矢印)から始まり、天井をつけるまでの上昇波が、エリオット波動でいうところの、第何波動目に当たるのかということである。
世間でのメインシナリオでは、この上昇波動は第5波目、それも副次波の5ー①波に相当し、現状はその調整波である5ー②波ではないかというものである。調整が終われば5-③波という大きな上昇波が到来し、人々に多大な恵みを与えてくれるものと期待されている。
そして筆者もまた、このシナリオを支持し、それに沿ってトレードを続けていたことは確かである。明日こそは③波だ、明日からは上がると、あすなろ精神で精進を続けてきた。
先週までは・・・
ここでもう一つの隠れシナリオを紹介しておこう。
もし仮に株価が8/20の安値26954円を下回ってしまった場合である。そうなれば上記5ー①波説は雲散霧消し、5波は終了、現況はABC調整波(中でもA波かB波)になっているとするシナリオである。
5波が終了したのであるから、C波の安値は1波始点からの全上昇分の38.2%押しくらいは最低限覚悟しておかなくてはならない。その値25287円が意識されるだろう。半値押しなら23576円である。
また、N字下落で調整が終了するとするならば、30795→27293→29960とくれば26458円、127.2%まで伸びても26340円となる。この方が現実的ではある。
そこまで下がってようやく平均株価は新しい上昇波動に入っていくというのだ。(もっともこの考え自体は筆者の楽観論だが)。
しかし、ここまでは前座である。話の千両役者はタイトルに示したように海運株による占いなのである。
日経平均の行く末は海運株が握っている。
これは業種別指数の海運業の日足チャートである。似ているとも言えるし、そうでもないとも言える。しかし、今年2月半ばまでの日経平均を先導してきたのは、この海運株なのである。半導体株ではない。上がったり下がったりしながらの半導体株と違い、海運株の調整期間は短く、浅かった。と筆者は考えている。
そして日経平均がその後調整を余儀なくされたのを尻目に、海運株は上昇し続けたが、日経平均が9/14に天井をつけた2週間後、大陰線での包み足を出現させて下落していった。大手3社の個別チャートを確認してもらっても結果は同じである。
筆者はこの時「船株は終わった。当分(上昇は)ないな」と思ったものだ。最後の波動は大天井、第5波動目に当たると考えているからである。(ただ、カラ売りは検討していない。筆者のトレード対象は4500円以下の株価銘柄に限られている。)
(注)ところで、さっき「先導」という言葉を使った。海運株が日経平均の先導役になっているという意味だが、天井をつけるのが2週間遅れたこととは矛盾している。なので正確には、ダメ押し役、いい意味では後押し役とでも言おうか、上がるにしても、下がるにしても太鼓判を押してくれる役目、決定打、そんな言葉が似あうかもしれない。
それはともかく、海運株は5波の天井を打ったのだから、その後は調整波であるはずだ。しかし直近は上昇してきている。新1波スタートか!その直接の原因は大手証券の目標株価大幅上げだろうが、ここでも海運株は、日経平均の上昇を後押しした。このニュースに勇気づけられたといってもいい。今週の上昇と見事に一致する。
しかし、大手機関のやることはマユツバ物であることを差し引いても、筆者には今週の上昇には「?」がつく。
海運株は新しい上げの1波に入ったのではない。ABC調整波まだ終了していない。期間が短かすぎるではないか。
おそらくB波であろう、と筆者は考える。海運業種チャートではA波の38.2%戻しをちょいすぎたところだから、まだもっと戻る余地はもちろんある。
また大手3社の中で最も戻りの大きい川崎船<9107>(これは上記目標株価の伸び率が最も大きかった)では、すでに61.8%戻りにちょい足りないくらいには戻ってしまっている。
なので、ここからはそれほどの上昇力はないものと思われる。他の2社のうち最も出遅れ組である郵船<9101>に至っては、11月の高値を突破してもいないのだ。三角もち合いの中で揉まれてしまっている格好なのである。チャートを見る限り、その足取りは重そうだ。
ここまで読んできて、読者にはもうおわかりだろうと思う。この日経平均株価と海運株の奇妙な連動性を考えれば簡単だ。
そう、日経平均株価は当面上がらない。軟調気味のモミモミが続く。海運株がまだ堅調なうちはいい。しかし、下がりだせば日経平均も危ない。
これが筆者の下した結論である。
悲観は早すぎる。こんなシナリオもある。
では、上記の2番目の隠れシナリオになって、ここから下がっていくのか、というと、筆者はそこまで悲観はしていない。
また、もうひとつ別の数え方があるからだ。これは筆者の素人的考えに基づいているので、あまり信憑性はない。が、一応披露しておく。当たったら称賛の嵐だからね。
もう一度日経平均株価の日足チャートをご覧いただきたい。
初めのシナリオで5波としたものを筆者の別シナリオでは、3波がエクステンション(延長)し、3ー⑤波ではなかろうかとするのである。そうとすれば、現在の調整波は4波動目ということになり、それが終了すれば正式の5波動目がスタートすることになる。その5波動目の頂点は当然3万円を突破し、35000円以上には発展するものと考えられる。
万事がすべてうまく収まる、完璧シナリオである。
その4波の安値メドは、3波の基点を21529円とするならば、38.2%~50%押しと考えれば、27255円~26162円となる。もちろん、61.8%押し=25038円以下になることだって考えられるが、それはあまりに悲観すぎるではないかと思われる。
このシナリオに基づくのなら、26000円台半ばになるかな、などと筆者はぼんやりと考えている。
正直なところ、一番目のシナリオであってほしいが、だめなら最後のシナリオに留めてほしいというのが正直な感想である。
そして、話の結末。
「掉尾の一振」はあるのか?である。結論を急ぐ。すなわち、
あるにはあるが、期待しているほどのものではない。
具体的な数字を言うなら、3万円にはおそらく届かない。おそらく29000円を少し超えるくらいだろうか。
そしてもし、今の株価辺で動かないなら、「掉尾の一振」はない、ともいえる。あるなら、ある程度下落した後、われわれが「今年はダメか」とあきらめた後に急上昇する場合だ。
それでも3万円を超えることはないだろうから、それでさえ「掉尾の一振」と呼ぶのならという限定付きである。
この結果は筆者の本意ではない。なので、今から海運株の健闘を祈ろうと思う。大手機関の出した目標株価に少しでも近づきますように。
以上、天井騒ぎの【今日の鶏鳴狗盗】でした。ご清聴ありがとうございました。
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