前回からの続きである。
前回は深押しと浅押しを見分ける方法についての話の処で、筆者の脳みそがなくなったので中座してしまったのだが、この問題については筆者自身もやはりはっきりとした方法論を持っていないので、また別途の機会に譲ることとしたい。
次に付け加えておきたいことが思い起こされたので、それだけ書いておく。
更に外側のフィボナッチ比率について
23.6%(76.4%)については、前回でも書いた通りであるが、注意しておきたいことがある。
それは高値からの調整が23.6%まででとどまっている場合は、決して空売りしてはいけないということである。23.6%前後ラインまでのポイントでもち合っているということは、相場が非常に強いことをあらわしており、いずれ高値更新のトレンドに戻っていく。カラ売りで調整を獲りに行くなら、23.6%から確実に落下し、更に38.2%押し以上になるとより安全ということである。
その辺りの呼吸については以下の記事でいくらか言及している。
【個別株・先物・CFD・FX等】V波動(エリオット波動・第2波)の狙い方
弱気相場の場合で言えば、底値近くで買ったものの、23.6%ライン程度の戻ししかできず、その辺りでの揉み合いが続くようなら、いったん利確を考えねばならないということである。いずれ安値更新するのが目に見えているからだ。この場合はショートに分がある。
このように23.6%や76.4%ラインがロングとショート、順張りと逆張りの分れ目となる。
更に14.6%(85.4%)については、もうすでに押し目や戻し目の範疇を超えている。筆者はこの数値も大事にしているが、それは押し目買い、戻し売りに使うためのものではない。
それは損切りの最終断行ラインとしての使い方である。
自分で買ったり売ったりした価格は、自信があればあるほど損切りできないものである。ついズルズルと持ち続けてしまい、損を拡大させるのがオチである。
例えば76.4%押しを超えた時「勢いがあるから、いくらかオーバーシュートはするのが当然。すぐ戻るさ」とついつい言い訳したくなる。ホントは自分の失敗を認めたくないだけなのに。
そんな時のロスカット断行ラインとしての使い方である。ここまで来たら、もう言い訳はなし。ズバッと損切る。その後すぐ反転しても後悔しない。そもそもそこまで持ち続けていた自分が悪いのだから。
次に移ろう。
もう一度、筆者が使っている押し目・戻し目メドの算出方法を列挙しておこう。
Ⓐフィボナッチ比率を使って算出
Ⓑエリオット波動理論における作図法
Ⓒ支配波における節目から予想
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本来の順番ならⒷであるが、昨日すでにⒸの一端を見せているのでそちらを先に書こう。
Ⓒ支配波における節目から予想
父親と息子、母親と娘の相克・確執といったものが、古来からの文学の一大テーマになっているように、相場における波もまた、子波は親波を打ち負かそうともがいてもがいてもがき続けるものである。
例えば今、小さな上昇トレンドの波(小波)を見出したとしよう。チャートの左側に、その波をすっぽり包んでいる一回りも二回りも大きな波が支配波(親波)と言われるものだ。
その親波は子波の成長を楽しみに眺めているようで、そうでもない。時には自分を克服しようおおきく伸びる子波を崖の上から突き落とす。子が上昇トレンドなら、親は下落トレンドである。実質からして違う両者であるから当然な行為ともいえる。
しかし、冷酷なばかりではなく、時には我が子に対して彼がその親を乗り越えるためのヒントを与えてくれる。それが節目というものである。つまりトレーダーはその節目を頼りに、今から攻略しようとしている子波を分析することができるというわけである。
下のチャートは商船三井<9104>の日足チャートである。
ご存知のように、日経の急リバウンドを横目にこの株(だけではなく海運業種全般)は斜陽の一途である。3月前半の高値で買った方は眠れぬ夜を過ごしておられるかもしれない。
あるいは、また元の上昇トレンドに戻ると考え、ナンピンを企てている方も多かろう。果たして押し目はあるのだろうか?
図は昨年11月の安値から3月高値までの上昇トレンドを支配波に見立て、その節目になるだろうポイントをゾーンで示したものである。
主だったもので5つあるが、現在の価格は真ん中のオレンジ色ゾーンの中にある。この図からわかることは、たぶんしばらくはこのオレンジゾーン内で保合いの日が続き、それに飽きたら、上下どちらかに放れていくだろうということだけである。
これ以上の下落が続くかどうかはわからない。が、ナンピンもしくは押し目買いをするのであれば、少なくともこのゾーンの最安値で拾いたいと考えることだろう。(たぶん今週の早いうちに到達するだろう)。そうであれば、上手く上昇しなかった場合の損切りは小さくて済むからだ。
このように支配波が示してくれる節目は押し目・戻し目のメドを推定するのに非常に役立つのである。
水平線だけではなく、斜線も引いてみよう。
筆者は節目の高安をゾーンで描いているが、そもそもは目立った高値や安値に水平線を引くだけでもいいだろう。
またその節目からのトレンドラインも魅力的なツールである。上の図にトレンドラインを足してみた。
と思ったが、下落が鋭角的過ぎて用をなさないため、もう一度昨日の225MINI先物のチャートに、水平線を加えたものを添えた。
緑色の水平線も機能していることが見てとれるが、青色の下落トレンドラインと平行に、支配波の節目から何本も引くことができることにも注目してほしい。いわゆるチャネルラインだ。
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