昨夜の日経先物はニューヨーク開場後の経済指標発表あとに反落していった。売り方でなくともホッとひと息ついたところであろう。休みなく上がるのは逆に不安なものであるからだ。できるなら浅い押し目を入れながら上昇していってほしいと願うのは、筆者だけではないだろう。
だが、この反転で目先の天井感が出たのかどうかは疑問だ。そのまま下落の途に就いたのかもしれないし、少し休憩しただけでまた上昇を開始するかもしれない。
そもそも6/20から始まった上向き波動自体が不可思議というか、なんとも意地悪な波動を描いて進んでいるものだから、推進波なのか、修正波なのか、いまだに確定できないトレーダーも多かろうと思う。エリオット波動原理の専門家でも意見が分かれるのではなかろうか。
そんな難解な波動を見分ける一助になるかもしれないのが、今回のテーマである「見込み波」である。
例によって、筆者の参考書ブログ『エリオット波動売買戦略』さんから図を借用してきた。
詳しいことは上記ブログを参考にしてもらいたいが、要するに見込み波というのは、衝撃波の3波になる見込みがある波ということであり、いわば、③ー1波のことである。(※衝撃波とは1,3,5波のうち、内部拡張する波のこと。)
3波は5波動に内部拡張する可能性が一番高く(1波、5波より)、その1番目を見つけることができたら、もっとも大きな収益が見込まれるという意味からできた名前かもしれない。
長い下落の後に、1波の上昇が始まり、それに続く2波の下落がある。そしてその下落の底から反転した上昇波は、単なる下落波動の修正波か、上昇トレンドの3波になりうる可能性のある波動なのか、その時点では判断できないのは当たり前である。
筆者などは、1波動目が例の新1波誕生!となる3条件を満たすならば、2波の底を狙って獲り、3波の波を丸ごと獲ってやろうとの野心を持ってトレードする習性があるが、大体において失敗する。
それは3波が直線的に1波の頂点を突破してどんどん上昇していくことは珍しく、当たり前だがジグザグに進んでいくので、いったんは反落する。それを見て失望し、また2波の安値を更新するのでは?という不安から玉を投げたりするからである。
だが、安値更新することなく、もう一度上昇してきたらどうだろうか。1波の高値を抜けるまではダウ理論的にトレンド転換したわけではないが、それでも一定程度の買いが入ることは間違いない。(これが安値の切り上げで買え!といわれる所以である。)
1波の5波動→2波の3波動の次に、再度5波動→3波動の、同じような高さの山を見つけたら、この見込み波ではないか?とちょっと考えてみることをお勧めする。修正波動になってしまうかもしれないが、大きな3波に育つ夢を見るのも一興だろう。(7/24追記)
それが見込み波、③ー1波である。
この見込み波は1波の頂点を突破した段階で、ある程度の安心感が与えられる。が、単なるジグザグ修正波動ではないか?との疑念からN値では強烈な売りを浴びるだろう。それは仕方ない。筆者も玉の大半は利確する。
だが、③ー3波が③ー1波の1.618倍を超えるほど伸びてきたら、もう安心だ。③ー5波は言うに及ばず、全5波までまるごと頂けることになるだろう。
これが、見込み波、③ー1波の全貌である。
2波底を逃したなら、③ー2波で買う。これが基本である。
しかし、2波や③ー2波というのも後付けではないか、後から見てそうだったというのが本当ではないか、という反エリオット波動論者からの批判はある。
その通りである。たまたま買ったのがぐいぐい伸びたというのが本音である。誤解を恐れず言うが、エリオット波動は後付け理論である。なので「底を獲ったどー」と自慢する気はない。しかし、その時のローソク足やチャートのパターンやら、インジケーターのサインやら、人によってさまざまだが、何らかのサインに従って買ったのは事実である。自慢はしないが嬉しくはある。
筆者のように「下落するならこの辺まで。そしてそれがここまで伸びれば・・・」などといつも皮算用しているタイプのトレーダーでないと無理な話ではある。
ちょっと話がずれてきたので、最後に、ではなぜ見込み波などという、まどろっこしい波動をするかで締めくくろう。
なぜ、そんなまどろっこしいのか?それは我々トレーダーを悩ませるためである。推進波なのか修正波なのか、本気かしら、好きさ大好きさ、とわからなくさせて、結果損をさせるためである。
・・・・・・
ここで来週の予想に入ろう。この見込み波をどう活用するか、予想を展開する。
【日経225MINI先物、来週(7/25~)の展望とトレード戦略】
3波はまだ終わっちゃいませんぜ。
【日足】
図のようにラインを引いたが、これはどなたも異論ないところであろう。3波である。全体を調整波とする向きにとってはジグザグのC波と言ってもいい。
どちらでもいいが、問題はこの3波動目がどこまで続くかである。
ジグザグ波動と認識したとしても、その長さまでは確定できない。C波がA波の1.618倍を超えることだってままある。
青色矢印の陰線は金曜ナイトだけでのものであり、月曜日のザラ場で盛り返して陽線化するかもしれない。そうなりゃ、たちまちショートは引っ込む。
しかし、やっと手にした陰線なら、ここから大事にして、もっと大きな大陰線になってくれればいいのにな、というのも売り方の思惑もわかる。
いっぽうでは、赤色矢印の大陽線が効いている。印象が強烈だ。もしかしたら、この陽線の始値=26980円近辺までしか下落しないのではないか、というのは買い方の頼みの綱である。
この日足チャートからでは来週の進行方向は漠としてわからない。
【4時間足】
では、4時間足ではどうか。
青色のラインが3波の内訳であり、おそらくこのようなライン引きが常識的な線であろうと思われる。
これによると3波は5波延長型の5波動が終了して、4波調整波に移行したところと考えられるだろう。最後陽線1本の反発があったとはいえ、そこそこの陰線2本が出て、一目雲との乖離も大きそうなので、調整に入るというのもうなずけよう。
が、やはり筆者は不満だ。もしここで終わるなら全3波が1波の1.618倍に到達していないからである。1倍をわずかに超えたあたり、1.272倍にも達していない。もちろん1.618倍は厳密なルールではない。現に1波だってその内部3波は小さかった。筆者が全体を推進波ではないかもと疑い続けた所以である。今週半ばでも疑っていた。
1波に続き3波もキレイな推進波とはとてもじゃないが認められないことが、全体修正波(ジグザグ波動)説を勢いづかせている要因でもあろう。
では別のライン引きをしよう。
第一声。なんでこうなるのっと言われるだろう。
このライン引きこそが見込み波の活用法である。
上の例の③ー3波頂点を③ー1波頂点に仕立て上げた。内部波動のカウントも適法だ。おかしくはない。③ー1波の大きさも1波と比べてそれほどチンケなものにも映らない。おかしくはない。
どうだろう。これだと3波は終わっておらず、ナイトの下落は③ー4波であると考えられるのではなかろうか。・・・・・・いいかな。
では続けよう。
ここから計算できることは、2つある。一つは全3波の上値メド。もう一つはこれから始まりそうな➂ー4波の押し目メドである。
まず全3波の上値メドから。
これは簡単。1波の1.618倍=28680円に置こう(下記注参照)。③ー4波の調整が終わったあとはここまで上昇が見込めるってことである。この近辺まで上昇したのなら、キレイなトレンド波として認められるだろう。全体調整波であるとはなかなか言えなくなる。なぜならその後の5波の上昇を逆に意識してしまうからである。
次、押し目メドだ。
38.2%押し=27285円
50%押し=27080円
61.8%押し=26875円
とフィボナッチ計算が出ている。③ー1頂点が27040円だから、これと重なることはできないのはエリオット波動原理の鉄壁ルールだ。となれば50%押しあたりがその最大値となろう。(但しヒゲでの重なりはゴカンベン)
先の例に従った場合は、1波の頂点は27230円となっているので、ここでも反発は見込まれるだろう。つまり、27285円~27080円辺りが匂うな。更につまり、下にある日中マド(27340円~27030円)を埋めるレベルである。
おそらく、この日中マド埋めを果たしてから、上の日中マド(28005円~28120円)を征服する覚悟なのであろう。
ここで断っておくが、筆者は全体修正波説や、3波終了説を完全否定しているわけではない。筆者とてこれらの説は頭の中に入れている。ただ、見込み波を活用した最後のカウント法が一番しっくりくるのである。
それは筆者がロマン派であるからであり、そう考えるとすべてのつじつまがあってくるからでもある。28350円で3点天井論者をぎゃふんと言わせてもらいたい。
【戦略】
以上の分析によると、来週の値動きは前半=下落調整、中盤から後半=上昇トレンド回復となる。
当然前半は、ウリから入って、上手く下落すれば即利確。メインは押し目拾いにちがいない。簡単である。売りは持ち越さないが、買い玉はお値打ち価格なら5波終了までスイングするのはあたりまえ。
以上、天井騒ぎの【今日の自己都合】でした。ご清聴ありがとうございました。
<注>
28680円というのは、金曜日朝ブログ記事内で、①番もしかしてパート2として提示した数字である。本当は③ー3波で(あるいは先の例でいうと3波)ここまでいってもらいたかった。そして④番=もしかして?で提示した28065円は、1波の1.272倍値である。最低限ここまで伸びてくれれば、余は満足じゃ。
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