10月初旬に日刊ゲンダイ様の取材記事掲載後、新しい読者も増えたようなので、筆者の記事に出てくる手法に関するワードや手法そのものの説明をまとめておきたいと思い立った。記事を十二分に活用していただく為には、ぜひとも書いておかねば不親切と言うものだ。
また、自分の手法を再確認することによって、新たな気づきを得られるかもしれない。そんな一挙両得を狙う。
そこで何から始めようかと思案したが、今回は『ネックゾーン』から。なるべくタイムリーなものから始めた方が読者に有用だろうと考えた。今後『日中マド』『ダウ理論』『エリオット波動原理』『フィボナッチ』『マーケットプロファイル』『各種ライン』など手法を構成する様々な要素についての説明を続けていくつもりだ。
なるべく初心者にわかるような書き方をするが、あまりに基礎的なことは省くため、わかり辛いこともあるかもしれない。そういう場合は各自別途学習していただきたいと思う。
また気分屋なので、定期的に書くことはできそうにない。また途中挫折もおおいにありうる。その点はお許しを。
では、さっそく、『ネックゾーン』から。
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ネックゾーンとはネックラインとゾーンとの合成語である。ググっても一向に出てこないのでどうやら筆者の完全な造語であるらしい。どう呼んでいいかわからなかったのでとっさにつけた名称である。(もちろん言葉は造語であるが、中身はよくあるやつ、もしくはそれから派生したものであるので、すでにご存じの方も多かろう。)
一方、『ネックライン』のほうはポピュラーなようで、特にライントレードには必須の知識となっている。一般的には、天井なら押し安値同士を、底値圏なら戻り高値同士を結んだラインのようであるが、人によっては、また時によっては、もち合い相場の高値や安値に引くラインのこともそう呼ぶ場合もあるらしい。
また、直近高値をつけたローソク足の安値や、直近安値をつけたローソク足の高値に引いたラインもネックラインだ。※筆者はこの意味で時々使用する。
要するに、ネック(首)ということで、どれも相場の転換点になるラインということらしい。
しかし、ネックとはビジネスシーンでもよく聞くことがあるだろう。
例えば「この問題がネックとなって前に進めない」「何がネックとなるか、最初に考えろ」などという会話の場合は、「問題点」「障害物」などといった意味合いのようである。まあ、この場合も「首」という意味から派生した使用法なのであろう。(首根っこをつかむ、とかの首の意)。
筆者の造語である『ネックゾーン』もどうやら後者の意味合いを強く持つものらしい。これは後になってのこじつけであるが、進行上での障害ゾーン、という意味にしておこう。
では、相場の障害ゾーンとは何か?に話を移そう。
相場は買い方、売り方双方のせめぎ合いで進んでいくものである、とは周知の事実だ。我々はその道程をチャートというツールで知ることができる。いや、知ることができると信じるのがテクニカル分析というものである。買い方の、売り方の足跡や力関係が波動やローソク足にあらわれると信じている。(実際はどうかわからないが、そうではないか?と想像するだけの話かもしれないが・・・。)
その観点から導き出すのがネックゾーンである。
例えば、ある上昇トレンドを想像してほしい。
この上昇がどこまで続くのだろうか、もしここから反転するのであれば、どの辺で止まるのであろうか、そして下落はどこまで続くのだろうか。トレンドを前にして我々が考えることはそんなことだけではないだろうか。
その解答のひとつが『ネックゾーン』なのである。
ここでひとつチャートをご覧いただこう。日経225MINI先物12限月の4時間足チャートである。
薄黄色の四角枠で3つのネックゾーンが描かれている。①は下落波動BCから導き出したもの、②③は上昇波動ABから導き出した。それぞれ左側の出発点から右側に目を移してもらうと、四角枠ははっきりと抵抗帯になっていたり、支持ゾーンになっていることがわかるだろう。
これがネックゾーンの威力である。特に①は「どんだけ~」というほどもち合い相場が続いて、われわれを手こずらせた。いったん上抜いたように見えるが、これからもまた戻ってきて色いろ悩ませてくれるかもしれない。
このように上昇トレンドの押し目メドや下落トレンドの戻しメドを考える際に非常に有効的なツールであることは間違いない。
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では、そのネックゾーンの導き方に移ろう。個人の裁量に大きく左右されるという難点があるので、ここではあくまでも筆者の場合と限定させていただく。
買い方と、売り方というのは、言い換えれば、トレンドの種類によって入れ違うが、主流派と反主流派や抵抗(レジスタンス)勢力、攻撃側と守備側などと呼ばれるだろう。
ネックゾーンとはつまりチャート上での少数派・弱者側の多数派・勝者側に対する爪痕、抵抗の痕跡のことである。
具体的に言えば、上昇トレンドにおいては主流派は買い方であるから、その反主流派、レジスタンス勢力、弱者といえば売り方である。その売り方がどこで反撃に出たかをチャートから読み解くのである。
上のチャートにもう一度戻って頂きたい。
1)親波の節目に注目する。ゾーン①の場合で言うと波動BCの節目に注目するのである。
2)BC波は下落波動だから、弱者=買い方の抵抗の痕跡を見つける。ローソク足で言うと、何本かの下落が続いた後の反発。安値を切り下げなくなったローソク足の安値(押し安値)から反発して、高値を更新しなくなった高値(戻り高値)の範囲がネックゾーンである。
3)だいたい一つの波動で上・中・下、3つくらい候補を見つけておけば事足りるだろう。今回は「上のゾーンで、押し目は終わっている(現在限り)。
※)上・中・下のゾーンはそれぞれ『天ネックゾーン』、『節目ネックゾーン』、『底ネックゾーン』と呼ぶことがある。
我ながらちょっとわかりにくい説明になってしまった。それに用事もできたので今回は尻切れトンボで終わる。下の記事も参考にしてほしい。今回の続きと、また最新の活用法も考えついているので、それらはまた次回ということで・・・。
【株デイトレード入門】ラインからライン、ゾーンからゾーンの狙い方。
ネックゾーンを利用したデイトレ法【日経225MINI先物、来週(12/6~)の展望とトレード戦略】
以上。
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