いまは買い方主導相場である。
金曜日ナイトはさすがに下落決定かと思われたが、ニューヨーク開場とともに大反転。最終的に38500円という土俵中央まで戻された。がっかりだが仕方ない。今は買い方主導相場だから、とあきらめた。
買い方と売り方の綱引きはまだまだ続きそうだ。買い方が粘っていると見るだろうか、強いと見るだろうか、売り方が売り崩せないと見るだろうか、弱いと見えるだろうか。解釈は人それぞれで、どれも正しいかもしれない。
ただ、五分ではないというのが筆者の見方だ。五分と五分のがっぷり四つというのは波動が見えなかった、決断できていなかった時の解釈だ。
今は違う。現在進行中の波動はトライアングル修正波中のラストE波である、という確信があるからだ。五分ではない。上昇相場である。買い方が主導権を握っている。ただし「目先は」という条件が付くけれども。その目先が長引いているだけの話である。
原因は買い方が上昇を拒んでいるためだ。「上昇を拒む」とは奇妙な言い方に聞こえるだろう。本来は相場を上昇させるために買うのだから。しかし、上昇して天井をつけた途端、自らの寿命が尽きることを知っている場合はどうだろう。できるだけ余生を楽しみたいのではないか?
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きょうはAの話をしよう。買い方の棟梁と目されているA、並びに彼が率いている組織の話だ。
Aが目をつける相場はあらゆる商品に及ぶが、その手法は至ってシンプルで、典型的な逆張り手法と言ってよい。下落して安くなったところで買うか、上昇して高くなったとところを売るかだ。
逆張りだから、彼は弱者の味方とも言える。売り方が強い場面では売り方が利益確定に動く瞬間を狙って買い上げる。その逆もしかりだ。弱者と言えども、最終的な決着がついていない相場環境では勝機は必ず存在すると踏んでいる。
彼は現在の日経にそんな状況を見てとったのだろう。彼がこの相場に参入してきたのは最近だ。たぶん先週の火曜日からであったろうか。日経は月曜日に38000円割れまで売られたが、大引けまでには38000円を回復して終えている。彼はそこに商機を見出したのだろう。翌日から買い方として参戦したようだ。
彼の参入はいつも買い方が絶対的な窮地に落ち込んだ時である。どこからともなく現れて、絶妙なタイミングで買玉を仕掛ける。そして一定の利益が出る瞬間を見計らってさっと姿を消す。まるで月光仮面のような恰好よさだ。
弱者の味方であり、その身のこなしの鮮やかなことで、彼の信奉者は多い。特に日本の逆張り好きトレーダーは彼を神の如く崇め奉っており、その手法に心酔し切っている。
だが、果たして彼は本当に弱者の味方なのだろうか。筆者にはどうしてもそうとは思われないフシが見て取れるのだ。
そもそも彼はいまの日経のどこに商機を見出したのであろうか。買い方で勝てるという目算を立てたのであろうか。
それは、やはり今の相場がエリオット波動で言う「トライアングルE波」であるということを知っての上でのことだろう。【日足】で見てみよう。
既述の通り、筆者はマネースクエア社宮田氏のシナリオアイデアに飛び乗ったのであるが、この緑色であらわされたジグザグ波動B波(※)がトライアングルであるとする主張の優れている処は、この先上昇が続いたとしてもC波頂点39345円や、ましてやA波頂点39425円を越えることはないという規制を施したことだろう。
※宮田氏の見解はB波ではなく、ダブルジグザグのつなぎのX波という見方だ。今のところどちらでも構わないだろう。都合悪いことが出てきた時に再考すればいいだけのことである。
それまでの筆者と言えば、もし、このB波がジグザグだったら39345円を越えてしまうし、超えたら今度は40875円をも突破し上昇トレンド入りしてしまうかもという恐怖感で夜も眠れず、小さな肩を震わせて泣いているばかりであった。
しかし、このシナリオは勇気を与えてくれた。下落トレンド途中の保合いということでいいんだよ。39345円を越えることはないんだよ。このような囁きに勇気をもらい、超積極策に転じたことは先週後半の朝記事を読んでもらえればわかるだろう。
話を戻そう。
そのトライアングル(赤色A〜E)である。今はそのラスト5波動目E波であることはほぼ間違いない。直近安値37920円を下抜けば、D波がまだ残っていたという懸念が無きにしも非ずだが、キリがないのでE波としておこう。
そのE波全体は上方向の波動である。これこそが買い方の、そしてAの心の拠り処なのである。
『必ずや個人は買ってくる。そして売り方個人は逃げる』
Aは自らの老い先が短いことを知ってもいるだろう。なんとなれば、E波は3波構成であるが、その2波動目であることを熟知しているからである。3波動目になったら自分の手法がこれまでのように通用しないことを知っているからである。
3波動目の頂点。それはトライアングルE波の終点であり、ジグザグB波(あるいはX波)の終局であり、とりもなおさず、ジグザグC波(あるいは2つ目のジグザグ)の始まりなのであるが、それが彼の、彼の手法の命運尽きるところであると言える。
彼が、買い方が「上昇を拒んでいる」という意味を分かってもらえただろうか。命の日が消えるまでは思いっきり楽しみたいということである。その寿命はたぶん3波動目の天井をつけるまではもたない。3波動目に進行した瞬間に彼は姿を消す。彼の手法の特徴としては最後まで利益を追っかけないことだろう。2波動目の湯加減が丁度いい塩梅で、上げたり下げたりをのんびり楽しむタイプである。
いつの日かE波が3波動目に進行することに抗うことはできないことを知ってもいるのである。
・・・・・・
しかし、こんなAは、個人トレーダーが神と崇めるAは果たして実在しているのだろうか。そんな疑問が筆者には残る。実在していたとしても、果たしてA自身の思惑で行動しているのだろうか。誰かの傀儡ではないのか、ということだ。
ここでBを登場させよう。Bは売り方の首謀者だ。個人トレーダーからは「売り屋」などと蔑まれたり、そのやり口の強引さから憎悪の対象にもなっている存在だ。
当然のことながら、彼もまた今の相場を下落トレンド途中の調整相場と読んでおり、いずれは大きな下落がやってくるはずと虎視眈々と狙っている。今は4波の調整相場で、その調整がまだ不十分であり、値幅的にもっと大きな下落を経験させないと、次の5波の大上昇に移行しないことがわかってもいる。
今はそのチャンスを待っているだけの時を過ごしているのであろう。欲深いBのことだ。下落の際の売り上げは全部自分で、あるいは自分の親類縁者で囲い込みたいと願っている。
そのためには・・・。
「そのためには、売りに傾いている個人のヤル気を削ぐ必要があるだろう。あいつらも下落相場がやってくるのではないかとうすうすながら感づいていやがる。一部はすでに売り持ちしている個人もいるようだ。フン、一獲千金狙いか。小口トレーダーが考えそうなこった。
だが、油断はできないぞ。いまのうちに潰しておかないとな。集合されちゃあ大変だ。」
こんなところだろうか、あいつらの考えは。そしてある作戦を思い付く。
「そうだ。相場を下げさせなけりゃいいだろう。売っても売っても思い通りに下げなけりゃ、そのうちイヤになるさ。逆に相場は堅いと見て、買い方に転向する者も増える。そして小さなもち合い相場を作って、その間で小さく儲けさせてあげよう。そのうち『もう下はないかも』と考え出すにちがいない。
そこがチャンスだ。B波の3波動目に進行するのだ。それもやつらが考えていた38800円ラインの抵抗線を難なく突破させよう。やつらは『すわっ、もち合い上放れだ!』てんで一斉に買い直すだろうし、イッキに39000円をも超えたらウリも引っこめるだろうよ。そして、ウリを引っこめたと見るや今度は大量の資金をつぎ込んで売ってやろう。見ものだぜ。天井売れず、利確し損ないだ」
そして、この従来からある至って陳腐な戦術を自分に代わって指揮を執ることのできる人物を物色することになるだろう。
・・・そんなあいつらのメガネに敵った人物こそがAである、と筆者は考えた。つまり、AはBの一味であり、スパイ工作部隊のリーダーなのだ。個人トレーダーの味方ヅラをしながら『底かもよ、さあ買いましょう』と買い方に回るが、裏では売り方の猛攻のお膳立てをするためにすぐさま利確するという、そんな行為を繰り返す雇われ諜報部員なのである。
どうだろう、こんな真実を知った今、彼をこれからも神として崇めることができようか。筆者にはできない。できるとすれば、二重スパイとなって逆にやつらの汚いやり口を暴くことであろう。ダマされたふりして、いつでも寝首を搔くチャンスを窺うことだけだろう。
しかし、もう一歩深く考えれば、Aという人物の存在さえ否定することにたどり着いた。はたしてAは実在するのかという問題だ。
もしかして、われわれが実在していると思い込んでいるAは、Bが作り出した幻影ではないか、いや、Bではなく、われわれ自身が作り上げた幻の存在なのかもしれない。われわれ自身の中にある、「平均」への希求、レンジ相場での安心感、パターン認識、ラインへの信頼感・・・と言ったものが投影された共同幻想だとしたら・・・。
・・・・・・
【4時間足】だ。トライアングルE波部分だけを抽出した。
上で言ったように、現在はE波の2波動目である。この2波動目が長引いている。やつらの術中にはまっている証拠だと言えようか。
青〇近辺まで下落が進み反発なら(青色線)、2波動目はフラット修正波、ないしはトライアングル修正波の形になる。青〇から緑〇近くまでの間で止まって上昇するなら(緑色線)ジグザグ修正波だ。赤色線のようにここからほとんど下落することなく上昇に転じるなら、3波動目はすでに始まっていたことになろう。
赤線が一番素直で上だけを見ているだけでいいのだが、たぶんそれはないか。まだXデーは来ていないという考えに変わった。少なくとも今週いっぱいはかかるのではないかという読みだ。(もし、明日中に下落したらその考えも引っ込めるが。)
となると、青線か緑線のコースか。上の物語に登場するBが「今は自分の出る幕ではない」と判断した理由がそこにある。
買い方の防波堤が堅固だからである。例えば青丸を突破したとしよう。突破した途端にカウンターパンチがやってくる。それまで静観していた買い方がどっと参戦してくるだろう。
大量資金をつぎ込んで突破することは可能だ。しかし、そのすぐ下には更に巨大な防波堤が築かれている。緑〇だ。買い方最後の砦。そこは最大の激戦地となる。そこでは更に多数の静観組が参戦の声を上げるだろう。
売り方はたまったものではない。まだ売玉の準備は十分できていない。それに今攻撃したら、個人の売り方を儲けさせるだけだ。
そんなこんなが見えている。
売り方の作戦は2波動目を長引かせることだろう。その中身は上の物語にあったように、個人の売玉を少しでもあきらめさせると同時に、個人の買い方に儲けさせてしこたま買わせるよう仕向けることである。
だからまずは、青〇近辺まで近づいてくるだろう。様子見だ。どれだけ反発があるかを知っておく必要があるだろう。BはAに指令を送る。「買わせるべし」と。
そして反発が大きければそれでよし、3波動目の上昇になろう。思ったほど強くなければ、今度は緑〇を目指すことになるだろうか。同様に反発の大きさを推し量るのが目的だ。
いや、待てよ。トライアングルの目はないか。上昇3波動目と見せかけて、また下落。上昇、下落。そうやってもち合い相場を更に長引かせるのだ。そういえば、全体がトライアングルであった。相場はフラクタルである。この2波動目がトライアングルだったら面白いではないか。
どちらにせよ、裏で糸を引いているのは売り方である。そんな意味で、
いまは売り方主導相場である。
とも言えよう。
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【イベントスケジュール分析】
さすがに事尽きた。大きなイベントは7月末の日米同一日開催の中銀デーまで何もない。
案の上タイガースは交流戦でこけた。7月下旬のオールスター戦までは不調が続くだろう。5割の線は死守しててほしいと願うばかりである。
ほぼトラは確トラに変わってしまっていたらしい。あっちのトラがこけたら波乱にはならない、むしろ相場には喜ばしいハプニングだろう。
あえて言うなら、欧州の政情不安か。そういえばギリシャに端を発した国債暴落はもう10年以上になるかな。今回はフランスか。先週からEU株全体が下げだしている。同じようなことが起こらないとも限らない。7月7日が2回目の総選挙。この日は東京都知事選でもある。与党が負けたらえらいこっちゃで。7月18日がECB政策金利発表だ。久しぶりにEUに主役が回ってくることになるのかな。
ようするに、まだXデーは先ということになるのだろう。今週はまだ2波動目のまま、あるいは3波動目の初期までと予想する。
・・・・・・
では明日月曜日だ。
明日ははっきり言って上がるか下がるかはわからない。でも【4時間足】での赤色ラインはあまり考えられないので、正攻法なら下方向に視線を向けておけばいいことになる。
ショートだ。
<重要ライン>
①39430〜39445・・・日中マド1
②39345・・・日足戻り高値
③39090・・・4時間足ジグザグ上昇N値
④39020・・・4時間足戻り高値
⑤39010・・・直近下落の76.4%戻し
⑥38995〜39120・・・4時間足小天ネックゾーン
⑦38890・・・4時間足小ジグザグ上昇N値
⑧38885・・・本日上昇目標値2
⑨38860・・・1時間足ジグザグ上昇拡大目標値
⑩38800・・・前日高値からの61.8%戻し
⑪38760・・・上昇転換ライン
⑫38705・・・1時間足ジグザグ上昇拡大目標値
⑬38640・・・本日上昇目標値1
⑭38590・・・ナイトセッション・バリュー上限値
⑮38495・・・ナイトセッション・バリューハーフ&ナイトセッション終値
⑯38430・・・下落転換ライン
⑰38400・・・ナイトセッション・バリュー下限値
⑱38230・・・4時間足直近安値
⑲38220・・・4時間足ジグザグ下落N値
⑳38095〜37925・・・4時間足小底ネックゾーン
㉑38070・・・4時間足ジグザグ下落チョイ拡大目標値
㉒37920・・・日足直近安値
㉓37880・・・4時間足ジグザグ下落拡大目標値
㉔37595・・・日足押し安値
㉚36830・・・大下落転換ライン
㉛35975〜35870・・・日中マド2
㉜34495〜34205・・・日中マド3
<詳細>
実際は大底から戻ってきたばかりの翌日であるから恐いのが先立つことは確かだ。しかし、そんな恐怖感が先立つ時こそ、相場は逆方向に向かうこともアノマリーではある。ここは限度を決めて果敢に売るべし。
その限度だが、スイング的には⑩まで見ておかないといけないと思うが、デイトレとしてはそこまで上昇されたら失敗である。⑭⑬辺りで一応のラインを引いておきたい。すなわち、⑬⑭を越えたらロングに転向した方が話は早いだろう。
なので、⑭前後の動きを見てショートを入れる。話はそれからだ。
そして今回のショートの目標は⑱にちがいない。そこまで届かないケースもあるだろうし、少し突破する可能性もあるだろう。が、⑱近辺では確実に利確することだ。あるいはド転カイに回ることも大切だ。その時の仲間は多いだろう。
問題は寄付きから上昇せず、下落してしまうケースである。その場合は⑰を越えた時点でショートを打つかだが、ナイト安値近辺で反転する確率も大なので値動きによっては買ってみることも可能だ。その場合のカイの目標値はやはり⑭⑬となろうか。
つまり、明日はそれほど大きな価格変動はないと感じている。動いてくるならばナイトだろうか。まあ、そういう時に限って大きく動くことも多いのだが。
<ポジション>
売1(39200台後半) 変わらず
買0() 2枚減
※買玉は切らされた格好だろう。売玉も激戦の末敗れるも任務はまっとうした。それほど悔いは残っていない。建て玉する余地はまだまだこれからだ。天王山は必ずやってくる。
<前日勝負手概説>
トレードメモはあるが、酔っぱらっていたせいか内容があまり蘇らない。ほとんどウリばかりでけっこうな現金収入が記録されているから、勝ったことは勝ったのであろう。
ニューヨークタイムからの反転にはついていけず。それまでに貯まっていた売玉の利確処理だけ急いだ。ド転ロングの余裕はなかったようだ。
以上。
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