面白い1週間であった。
すでに先々週半ばからカイに軸足を移していた筆者だったが、先週の不安点はETFの売り。それを警戒するあまり、ちょっと中途半端なトレードになってしまった。相場はそんなウリなんぞ屁とも思わずの強行軍。天井まで一直線となった。
日経の急落は木曜日夜、ドル円相場の反転がきっかけであったことはまちがいなかろう。
筆者は当初、シカゴ投機筋がその円売りポジションを材料(CPI)出尽くしとして一部解消したものと考えたのだが、翌日以降のニュースでは、日銀の為替介入が有ったとか無かったとか。
真偽のほどはわからないが、とにかくドル円は下落した。そして筆者は、225先物の波動カウントを5波動目がフェイラー(3波の高値に届かなかった)ということにして、それまでのロング志向を取りやめ、ショートトレードに邁進した。ここまでは金曜日朝記事の通りである。
本当に日経は天井を打ったのか? たしかに直近のチャートは下落を意味するものばかりだ。今年2番目の値下がり幅、アイランドリバーサル、米国エヌビディア株の変調など、常識的なら下落方向に張った方がより有利なように思える。
・・・・・・
【現物225指数・週足】
人が感じる印象はこれほども違うものかとあらためて思う。
この通常の週足チャートでは、長い上ヒゲをつけて、金曜日の大下落を物語っている。それまで一直線に急伸してきたので「いよいよ終わりか」と思わせる。
が、救いは陰線ではなく陽線で終わったことだろう。月曜日以降、少しずつでもこの上ヒゲ部分を回復させるような値動きになってくれれば・・・。その後はイッキに高値更新の道も残されていそうだ。
一方で、金曜日始まりの変則の週足はどうか。
右端に金曜日のローソク足が見えるが、それを無視すれば、まったく下落の様子は感じられない。今週もまだまだいきまっせ!と鼻息は荒い。
が、日足のアイランドリバーサルも見えているし、金曜日の大陰線は先週のりっぱな陽線が全否定されそうな危なっかしさだ。おそらく月曜日から売り方は躍起になって襲ってきそうである。
(※実際に金曜日ナイトの安値41015円は先週陽線の始値41009円(7/5始値)に迫ったものである。いったんは守り抜いたと言えようか。)
今回は通常チャートと変則チャートはまったく違う印象を与えるものになった。日足では全く同じ動きにもかかわらず、基点が違うとこうも印象が違うのである。面白いではないか。
このようにチャートは市場心理、売り方買い方の戦略が想像できる唯一のものである。想像をたくましくして観察すべきものであろう。
【日足】に移ろう。これが問題となった。
直近の筆者は、今回の上昇を拡大フラットのB波とするメインシナリオ、5波(日足③波の副次波としての5波)だとのサブシナリオに基づきあやふやなトレードを繰り返していた。
しかし、先々週からはレッキとしたロング派に転身。波動を直近の上昇トレンド一本に絞り、「5波でもB波でも構わないや」買って買って買いまくればいいじゃないかという考えであった。とにかく足元の上昇トレンド(青色ライン)に乗り遅れたくなかったのだ。
この上昇トレンドは5波構成で、図の②、④のちょっとした休憩を調整の②波、④波と考えれば、⑤波動目は43000円突破も可能と判断していた。その⑤波の天井は金曜日か翌月曜日の東京時間であろうとの予想をしていたのも記事にある。
これほど完璧、緻密な予想をしていたにもかかわらず、木曜日のナイトで急変。42500円で折り返すことになった。これで、もともと抱いていた拡大フラット説も再浮上。金曜日は一転ショート派になったということだ。
しかし、引っかかっていたのは、その上昇トレンドの前の波(赤色ライン)である。マネースクエア社の宮田氏が以前から主張されていたのが、トライアングル波動である。
となれば、6/17安値から始まった今回の上昇トレンドは、単独で③ー5波になるだろう。
スラストという用語をご存じだろうか。
エリオット波動原理では、4波のトライアングルを終了したあとの第5波の波動は、トライアングルA波の長さくらいの大きさまで達するが、動きが早く短命で終わることが多い推進波であるとされている。それをスラストと呼ぶそうだが、その波の動きはエンディング・ダイアゴナルの形をとるという。
これでもう一度波動をカウントし直した。【4時間足】で分析しよう。
なるほど。青色ラインの5波動はそれぞれ3波構成(赤色ライン)となっている。緑色線はそれがエンディングダイアゴナルであることを示す尻すぼみ形状の上値・下値ラインである。
5波動目はその上値ラインを突き抜けており、水曜日、木曜日の狂人めいた上昇が最後のお祭り騒ぎであったことを明確に知らせてくれている。
上記スラストなら、直前のトライアングルA波の長さ4195円を、E波底から当てはめれば42115円となり少し延長するが許容範囲であろう。トライアングルの後の5波はスラストでなければ、延長波動になるとも言われているが、その可能性もなくなった。
これですべて解決。本当は3波が1波の1.618倍(現物、先物とも43000円台後半)まで伸びてくれれば言うことなしだったが、それも許容範囲だろう。③波の3波、いわゆるサードオブサードは終焉を迎えたと断言してもよさそうだ。金曜日からは4波、言ってみればサードオブフォースということとなる。
その4波について少しだけ触れておく。
4波の最終的な形状はわからないのだが、考えられるのはオルタ―ネーションの法則から、今回はジグザグ修正の深い押しの可能性が高いということだ。昨年6月半ばから半年間に及ぶ第2波はたぶんフラット調整であったろう。値幅は3000円程度であった。
だから、今回の4波の調整は押しが深くなる、その代わり短気で終了するはずと予想できる。
それと、エンディングダイアゴナルの習性として、「5波動終了次第速やかに原点までもどる」とある。今回の場合なら38000円水準であろう。なので、とりあえずは38000円前後までの調整は明白である。
その調整が終了して5波動目の上昇に向かうのか、その調整が単なるA波であって、それからもB波、C波と調整が続いてしまうのかは、いまのところわからない。筆者は来るべき5波動目が大きく飛躍するためにも(48000円強レベルになる予定)、後者の深押しを期待しているとだけ言っておこう。
・・・・・・
では、明日月曜日の戦略会議といこう。
が、すでにその値動きに関しては【週足】コーナーで述べている。
月曜日は、売り方は41000円割れを達成できるかどうか、買い方はそのラインを守りながら、週末に小さな週足陽線を実現できるかどうかの攻防である。
月曜日は日本は祝日営業であるから、その気になれば売り方は明るいうちにイッキに売り崩すことができる。買い方は受け身な立場であるから(※)、売り方のヤル気次第だ。ヤル気がなければ、買い方が防衛するだけの話である。
※というのも、イッキに攻めたくとも攻めきれない理由がある。それは、マドを埋めるという事実は、買い方の目標達成を意味し、その後は燃え尽き症候群に陥ってしまう心配につながるからである。。高値更新という更なる目標があるにはあるが、それを実現するためにはより大きなエネルギーが必要とされる。そのエネルギーが残っているかどうか。それこそレンジ相場に持ち込んで貯め込むしかないだろう。それよりも、いまの買い方の戦術としては小さな陽線の連続でマドの下まで行き、売り方に圧力をかけることが最適なのではないか。「そらやるぞ、今にやるぞ」の無言の圧力なら、売り方は自ら崩れていくことだろう。買い方はほとんど無傷でこの戦いを制することができるのだ。
<重要ライン>
①42500・・・最高値
②42120〜42470・・・大天井ネックゾーン
③41935・・・直近下落の61.8%戻し
④41785〜42115・・・(合)日中マド1
⑤41780・・・4時間足戻り高値
⑥41625・・・(仮)4時間足ジグザグ上昇N値
⑦41445・・・ナイトセッション・バリュー上限値
⑧41435・・・1時間足押し安値
※41190・・・ナイトセッション終値
⑨41185・・・ナイトセッション・バリューハーフ
⑩41180・・・5日線処
⑪41060・・・ナイトセッション・バリュー下限値
⑫41015・・・ナイト安値
⑬40890・・・本日下落目標値
⑭40755・・・日足押し安値
⑮40715・・・(仮)1時間足ジグザグ下落N値
⑯40240・・・(仮)1時間足ジグザグ下落拡大目標値
㉛35975〜35870・・・日中マド2
㉜34495〜34205・・・日中マド3
<詳細>
買い方の野望が完全にくじかれるのは⑭割れであろうが、その前に41000円キリ番割れは何としても月曜日に達成してほしいものだ。売り方のヤル気を測る意味で重要なのである。
祝日でもやる気さえあれば簡単に崩すことのできるラインであろう。
筆者はおそらく41200円前後からの小さなもち合いでショートを入れると思う。そうして⑪割れを待つのであるが、もし売り方のヤル気がそうでもないなら、41000円ラインは維持され、その後は41000〜41200円前後の往来相場になるだろう。そうならナイトに希望をつなぐしかない。
買い方の反撃は内に秘めたるものはあるものの、少なくとも表面上は消極的である。当日も何とか41000円を維持し、隙あらば⑦あたりまで押し返せれば上出来だろう。
<ポジション>
売2(42000台前半、41800台央) 変わらず
買2(39600台前半、39900台前半) 変わらず
※いずれもう一度42000円台はあるかもしれない。買い方がフラットレンジ相場を演出する場合だ。したがって、現有売玉は安心できない値位置であるから、そのような雰囲気を嗅ぎ取ったら、早い目に利確決済しておくに限る。
<前日勝負手概説>
金曜日は朝は警戒感強く、ウリの手が出なかった。10時半近くの41410円が最初。10時45分の前に41375円買戻し。数分後41435円で再度。これは3時すぎ41260で利確できた。
が、そうじて精彩に欠けたトレード。最初のくじけが響いた。出直しだ。
以上。
0 件のコメント:
コメントを投稿