すごい1週間だった。最安値をつけた月曜日は別としても日中セッション値幅が連日1500円以上、夜でも1200円以上あって、デイトレ巧者は笑いが止まらなかったであろう。筆者の成績は中の中。儲かったが、いつ何時反撃されるか分かったものではないと警戒心も強くて、思ったようなトレードはできなかった。やっぱり、忙しい相場は苦手だ。
火曜日から始まった予定通りのリバウンドは、ここに来てちょっと上値が重そうなムードもする。筆者は現在の最安値をつけたあとにリバウンドメドを直観的に61.8%戻しと決めつけている。37820円だ。もちろんぴったりに収まるわけではないだろうから、38000円前後だと認識している。
この値が正しいかどうかはどうでもいい。あとでわかることだ。いまはリバウンドの最中である、という認識だけで十分である。そこから推理推測が始まるのだ。
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今回は過去の例を引っ張り出してきて検証してみようと思う。今回に匹敵するような、筆者の記憶に残っている大急落、大暴落と言えば、コロナの時と、東日本大震災の時だろう。
コロナの時は、「病気なんかに負けるてたまるか」という人間本来の強さが前面に出ていたように思う。中小企業中心に経済はひどいものになったが、直後のバラマキが功を奏したこともあって、その後の株価は順調に回復して現在に至っている。
が、震災の時は違った。あの時は国民全体が疲弊していたように思う。期待していたはずの民主党政権は尖閣諸島問題でモロさが露呈。その他にも難問を解決できない政権に対して「自分たち自身が選んだ政権だからなあ」とあきらめムードの中で起こった天災であった。
そんなもんだから、直後は反動で上昇したものの、その後の原発問題も長引いて、株価は一向に上がらない状態が続いたのではなかったか。確か半年後に2番底、震災時の安値を更新している。上がりだしたのは、野田内閣が解散総選挙を決めたあとからだ。そしてアベノミクスで大復活するまで1年半以上かかっている。そのくだりをチャートで見てみよう。こんな風だ。
そこで、コロナ時と震災時、どちらのパターンになるかを考えてみた。これはすなわち、2番底をつけずに上昇トレンドに戻るか、2番底をつけてから上昇トレンドに戻るかの違いだ。(もう一つ、ここから更に下落して安値を更新し続けるという最悪のケースもあるが、エリオット波動原理の観点から、筆者自身は想定外として完全無視することにしている。)
取り巻く環境は震災時に似ている。政治的不安定さのことだ。現岸田政権の支持率は酷いものである。自民党議員や自民党自体の相次ぐ不祥事が重なって、あの時の民主党を彷彿とさせる。それに加えて、南海トラフへの不安感もより現実味を感じさせてきた。
だから、今回の暴落後のパターンは、東北震災の時のそれに似ているのではないかと筆者は思った。
が、違う点があった。
相場的にはまだ上を向いているということだ。震災時はバブル崩壊後の下落が続いた最後の最後だったようである。が、現在はエリオット波動的にはまだ3波の躍進中であり、その4波動目の調整波動だとしても、このあと3波最後の5波動目の上昇が期待できるという環境にあるのだ。またNISA効果により投資家層が厚くなっているというのも心強い。
であるから、全く同じパターンにはならない。そこで、震災後の数か月先までのチャートを切り取って拡大表示してみよう。
おおざっぱに言えば、2番底をつけてから上昇を始めるという構図になっている。5日の安値を更新するかどうかはわからないが、同じようなところまではもう一度下落すると踏んだ。
大きな違いは、震災時は本格的上昇が始まるまで1年半以上かかっているが、今回は最悪でも11月上旬から上昇が本格化するのではないかということだ。それまではレンジ相場だ。思うことはみな同じ、カギはアメリカ大統領選(11/5)だ。この結果は米国だけではなく、世界中が固唾を飲んで見守っていることだろう。今年最大のイベントである。
選挙の直前直後には日銀会合(10/31)、FOMC(11/7)開催される。また9月中旬にも米日中銀会合が開かれる。どれも金利の上げ下げが注目されるところだろうが、大統領戦には敵わない。それらは相場の大きな転換点とはなりえない。
今後討論会等のイベント直後に行われる支持率調査の結果に、金融関係者は一喜一憂することだろう。したがって、大方の勝敗がつくまでは一方的なポジションを採り辛く、それまではレンジ相場が続くとなるわけである。
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ここから、今回の相場環境に合わせた詳細な予想をしてみよう。
【現物225指数・日足&変則週足】
まずの目標は一目瞭然。目指すべきは先週の大陰線、長い下ヒゲ付きの大陰線の克服である。高値は37471円、前々週とのマド埋めまで入れれば37611円以上を明確に突破できて初めて、日経は上昇トレンドに戻ったと言えるのではないだろうか。それは未だ上向きの200MA(緑色線)を回復するということを意味する。これで、レンジ相場を想定した場合の上値はほぼ決まった。上値のメドは37500円前後だろう。この上値メドは9限月先物で言うと、今回の下落全体の61.8%戻し=37870円の近似値である。また、今回の下落過程で3つのマドを開けているが、その3つ目の上辺は37954円ということも、この38000円リバウンド上値メド説を補強してくれている。マドを埋めたらお終い、ということである。
では下値はどうか。
先週月曜日は2本の赤色点線のゾーンを一時串刺すほどに下落した。このゾーンはチャート左端に見える、①波ラストの週足大陽線の実体部分である。思えば昨年後半は、「このゾーンを上抜かない限り上昇トレンドはない」、また「②波はもっと深く」との思い込みからウリばかりやっていたものだ。そのおかげで、今年春先までの大上昇に乗り遅れた苦い思い出がある。
それはともかく、今度またこのゾーンに入り込んできたら、それは絶好の買い場になるであろうことがわかるだろう。このゾーンが今度も支持ゾーンになってくれるはずだ。
これで、レンジ相場を想定した場合の下値はほぼ決まった。下値のメドはは31900円前後だろう。
しかし、実際の相場では、これらのメドから少し突破した処に設定するのが常識だ。そうすると、上は38000前後から下は31000円前後ということになろう。これが今後2カ月半にわたるレンジ相場の範囲である。
今度はより詳しい値動きを予想する。今回記事のキモにあたる。
【日足】
42500円から下落が始まった当初は、今回の4波調整をジグザグ波動と想定していたことは事実だ。しかし、値幅もさることながら、もっともっと驚かされたのは時間だろう。あまりにも下落スピードが速かった。ジグザグC波はわずかに3日だった。これでは、時間が余っちゃう。なぜならイベント・スケジュール的に、もう少し4波の調整期間が長くなければならないと感じていたからだ。8/5で終わってはやることがなくなるのである。5波の上昇トレンド再開にはまだまだならない。何とか時間稼ぎの方法はないものか。
そこで考えたのがトライアングル説だ。42500円から30380円までのジグザグ3波動をトライアングルのA波にしちゃおう。それなら、火曜日から続いているリバウンドはトライアングルB波だ。そのB波の上値が38000円前後で、そこからC波下落でもう一度8/5の安値試し、そこからD波、E波と続けば空白の2,3カ月は埋められるな、という単純なアイデアである。当面はこのシナリオでやっていくことにした。
ここで直近のローソク足を見よう。水、木、金の3日間とも上ヒゲが目立つ。上値が重そうだ。リバウンドは終わりなのか? もしかしたら、最悪のお盆になるのか?という不安が先立ってくるだろう。
それには次のような答えを用意した。
【4時間足】
トライアングルB波自体(赤色実戦)はジグザグの3波動で構成されるものと思うが、その2波動目(現在の波動)の下落が進行しているのではないかということにした。形態はフラットだろう。この下落がどこまで進むかはともかく、反転すれば3波動目38000円前後まで上昇が続くだろうということになるわけで、たぶん週後半からは反転上昇していくだろう。最悪なのはむしろ来週以降、C波の下落。それは8/5の安値が本当の安値であったかどうかのキモ試しとなる。夏のお化けは2度やってくる。絶好の買いポイントでもある。キモを冷やすかもしれないが、買うべし。
以上。
※尚、月曜日は先物の祝日取引もないため、火曜日の戦略会議は明日中か、ないしは火曜日朝になる予定だ。乞うご期待。
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