プロローグ(2)
11日(土曜日)朝。その日の日経朝刊は面白かった。
マーケット面には単純明快なふたつの記事が同じページの東西に掲載されていた。
まずは日経平均に弱気を映すサインが出たという記事。短期的にはWトップ(12/27と1/7)、長期的には「ダイヤモンドフォーメーション」(3/22,7/11,12/27と8/5)というサインだ。更に、25日移動平均線の下抜け、高水準の信用倍率と需給面からも弱気だという。
あらら、と思って隣りの記事に目を通す。「スクランブル」というコラム記事。タイトルは「日本株、年始の上昇ならず」で、米国の実質金利上昇を警戒して日本株にも資金が入ってこないというものであった。「上値を買ってくる海外勢の出動には時間がかかりそうで、米国の変調に身構えざるを得ない」と結ばれていた。
筆者に前回(当12/15記事)指摘されたので、今回は統一してきたのかしらん。どちらも弱気記事である。前回は明日の見えない相場環境の中での紙面構成であったが、今回は十分にベアと読んでいるのであろう。
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金曜日ナイトは惨敗だった。カイに固執しすぎたことが原因だが、またしても下落の幅を甘く見すぎていたことがもっと重要な敗因だろう。下に別途詳細を記しておく。
しかし、済んだことは戻らない。今週からまた始めればいいだろう。
【現物225指数・日足&変則的週足】
が、変則的週足で青色点線を上抜くこと、3度目も失敗である。年末から年始にかけて、日足では3度実体で突破できていたが、結局は週足で突破しきれなかった。もちろん筆者はこの事実に木曜日の引け時点では気づいていたが、来週、すなわち今週の木曜日の大引け時点では叶えられるものと期待していた。
金曜日の陰線は受け入れられる。実際に陰線を期待してもいた。買うためだ。しかし、雇用統計後のナイトは期待に反して下落。この分では、週明け以降頑張らねば、週足で陽線に持っていくことは不可能のように思われる。暗澹たる気分にさせられるチャートである。
【日足】
昨年末4波底と見立てた38200円(赤色線)を割れれば底はイッキに見えなくなる。おそらく35000円を目指すだろうし、それも下抜けることは間違いない。買玉は全部放り出し、当面カイ仕掛けはご法度だ。
だが、ひと筋の光明が。②ー④ライン(緑色点線)である。ナイトで大きく下落したとは言え、このラインをほんの少し下抜けた程度だ。火曜日にもラインの上にすぐ戻れば上昇トレンド再開となるのではなかろうか。このラインのことをクモの糸というのであろう。はかなく細い糸であろうと、われわれ衆生はこの糸にすがらざるを得ない。
今週はこの②ー④ラインと38200円ラインの間での攻防戦だ。抜けた方に軍配が上がる。
もちろん筆者は38200円を明確に割らない限り買い派の一員として闘う。
前にも挙げたが、こんなような赤色のダイアゴナル的5波動を思い描いている。現在は2波調整中ということになる。
【4時間足】
その2波調整の形状はジグザグ修正波動だ。すでにC波動も5波まで消化しているようだ。筆者のライン引きが正当なら、その5波動目(青色点線)も副次波で4波動目の休憩に入っているようである。したがって、残るはあと1波分、5-5波の下落だけである。
40455→39640→40315の下落のN字波動なら、その拡大目標値は38325円だ。おそらくそれが大底メドになるか。38200円に限りなく迫って心臓に悪いが、厳しく見積もって38300円割れまでは頑張ってカイ進めたいと考えている。
【イベントスケジュール分析】
今週は米国のミニSQ週であり、米国株は波乱が予想される。ここで日本株と連動性の高いとされるナスダックの日足チャートをちょっとだけ見ておこう。普段からあまり検証しないのでおこがましいが、
こんな上昇の5波動を(青ラインで)想定してみた。只今は4波の調整に入ったか。調整の形状はフラットかジグザグになろう。フラットなら今週早々にでも終了して5波動目の上昇に進行してくれるかもしれない。ジグザグならもう少し調整が深まろう。
いずれにしても、米国株の反転は近いと見る。日経も同調してくれることを願う。
そして、来週のメインイベント1/24(金)日銀会合が控える。その前には1/20(月)トランプ就任式も控える。
この2つの大イベントを来週に控えた今週は、下落の底である。来週からは下落させられない、いや、むしろこれ以上は売れないと言った方が正解だろうか。その理由は再三述べてきたので改めて書かないが、売れるのはせいぜい今週半ばまで。後半からは戻しに入ると見ている。
再度下落するとすれば、日銀会合が終わってから、あるいは、1/29(水)のFOMCが終わってからであろう。そういうスケジュールなのである。イベントスケジュールというのは転換日をあらわすサインなのである。
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エピローグ(2)
冒頭の日経記事についての筆者の感想を書き留めておこう。相場予想についての筆者の態度を明確にしておきたい。
まず、Wトップやダイアモンドフォーメーションなどのチャートパターンについて。
始めにパターンありきではない。まず始めにエリオット波動ありきである。具体的に言うなら、「Wトップだから売り」ではなく、「現在は5波の天井であり、Wトップになりそうだから先回りして売ろう」という判断になる。天井という認識がないうちはWトップであろうと、三尊であろうと売る気は起こらない。
※ダイヤモンドフォーメーションについては、筆者は聞いたことがあるという程度の知識だ。しかし、よく見てみると、これって単なる三角もち合いと違うのか?
移動平均線に対しても同じだ。ラインより上だからカイ、下だからウリという判断は通常しない。また上向き、下向きというラインの向きに対してもほとんど意識しない。「平均線の下にある状況であるが、今すぐにでも3波の上昇が始まるかもしれないからカイ目線で勝負!」となる。
問題は需給面のことだ。これについては大事にする。天底転換を予想する重要な要素のひとつだ。しかし、記事に対する扱い方が違う。
記事内で指摘されている、信用倍率が高水準であることは以前から聞き知っていたことだ。もう2,3か月前から「危ない」とささやかれていたが、筆者の中では「囁かれているうちは安全だ」という考えがある。そのうちだれも言い出さなくなったら、その時が「危ない」のである。
別途、1/7の記事では、「『信用期日明け」』需給改善に期待」と前日の大発会での4万円乗せの勢いそのままの内容があった。1/10(金)がその期日であったが、逆に筆者は「翌週の月、火曜日が危ない」のではないかと予想していた。これもみんなが忘れた時が危ないのだ(天災と同じ)。先週下落しなかったら、今週の当コーナーで注意を促すつもりであった。(その前に下落しちゃったから残念ではある。)
以上、今週の相場判断が「買い向かう」となってしまったことをご理解されたであろうか。
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明日月曜日が休場であるため、戦略会議は火曜日朝に改めて書こう。
ここではCFDで闘いを挑む読者の参考に、マーケットプロファイルを用いて月曜日の予想をしておこう。昨図がきちゃないのはご免。
水色部分はバリューゾーン(39325~38660円)。黄色はバリューハーフ(39010円)。
このナイトセッションのプロファイル図から、ナイトセッションが①の②の2つの山、同じような形、同程度の高さ(アルファベットの積み重なり)の2つの山で形成されていることが読み取れるだろう。
こんな場合は3つ目の山ができると考えるのが基本だ。①も②も値幅は300円程度だと考えれば、③の山のレンジは38600~38300円になるのではないかと推測される。よって、月曜日は38300円程度まで下落が進むと考えてショートがいいだろう。日中は動きなく金曜日の大引け周辺でのもち合い相場であっても、特にニューヨーク市場が開いてからの動きは活発になるだろうから、注意されたい。ダウが弱そうなら尚更だ。
月曜日のもう一つの動きは、再度②の山を踏襲することだ。祝日で参加者が限られるし、米国時間になっても大きな動きがなければ、やはり日経も動かない。
その場合、③への動きは火曜日に遅延されると考えて、②の山の高位でショートを打っておいてから翌日の下落を待つという作戦が考えられる。
どっちにしたところで月曜日の作戦は、戻り売りである。おそらく38900円をいくらも超えられないであろう。もし、38200円を割ってしまうようなことが起きれば、その売玉はとんでもないお宝となる可能性を秘めることになろう。
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<前日勝負手概説>
惨敗の金曜日の顛末を書き記しておこう。次の反省材料となればいい。
金曜日は朝から夜10時半に発表される米雇用統計を意識してのトレードとなることはわかり切ったことである。デイトレーダーならいざ知らず、すでにいくばくかのポジションメイクを済ませているスイングトレーダーにとって、避けては通れぬイベントなのである。
筆者の予測は次のようなものであった。
「東京時間で十分下落しておれば、そこで買う。雇用統計でそれ以上下落するはずはない。東京時間に下落しなければ雇用統計直後に下落するはずだから、それから買う」これが基本である。
問題はこの「十分な下落」の値位置がどこなのかであろう。
確信の持てるホールド玉を手に入れたのは、朝から何度かの損切失敗と利確成功を経験したあと、後場1時すぎの39190円だった。午前中につけたその日の安値39170円に再度迫った下落の真っ只中である。
『39170円を割ることはない』そう直感した。安値の切り上げを狙ったまでだ。すでに前場終了前に39390円での売玉を握っていた。この両建てで雇用統計まで乗り切ろうと思った。どちらに転がってもいいだろう。
が、途中で気が変わる。確か1時間足チャートを眺めていた時だ。『これって、まだ3波じゃね?』
朝寄りからの下落は筆者のメインシナリオであるトライアングル説ではなく、サブシナリオであるフラットかジグザグ修正波となることが確定的であった。チャートのカウントはまだ3波動目となっていたのだ。5波動構成になるはずである。
で、大引けで買玉を決済する。『まだ底ではない。ナイトでは5波動目の下落が見れるはずだ』・・・いい判断であった。
そのナイトセッション。その時点では売1に対して買2(以前からホールド分)のポジションだ。
『序盤が勝負』とばかりに寄り付き直前指値39315円ショートで勝負。これは日中のバリューハーフ39295円を意識してのものだ。日中レンジの半値処39320円をそう大きく突破するはずはないとの判断である。5時14分約定。
39320円を突破されはしたが、5時半頃から急落。『やったぜ、やまちゃん』気分は上々。早くもアルコールの誘惑に負ける。
6時すぎ売玉1枚を39060円で利確。39000円トビ台には下落目標値が目白押しだった。下落も39005円で止まり、『やっぱ39000円は堅い、ほら、右下がり平行チャネルライン下辺の方にもタッチしてるじゃないか!』
ほどなく39015円で買玉を手に入れる。『もし近々、39000円を割れるようならナンピンでもいいよね』。アルコールの魔力はすごい。が、慢心はしていなかったつもりである。
だが、その時すでにあいつらの謀略の渦に飲み込まれていたことに気がつかなかったようだ。
その後は相場は持ち直し、下げた分の戻しに入る。39100円、39200円・・・今度は『あれ?戻し過ぎじゃね』
戻しは1/4~せいぜい1/3までだ。それが、全戻しになるような勢い。『雇用統計前にそんなに戻しちゃいけないよ、アトで上がるのならいま戻すはずがない』
嫌な予感に包まれながらも、酒の魔力に抵抗できず。『本日分は両建てになっている。大丈夫だ。すでに下落の5波動目も終了した。ジグザグ調整は終わっているのだ』
そして10時半。39000円を少し割ったりもしたが、堅そうでもあり、乱高下が繰り返されるのを見て、安心してお笑い番組にウツツを抜かす。
悲劇は12時を回ってから。大急落。
ウリを決断するには5分足1本も必要なかった。機敏に動けたのは、先ほどの「イベントには基本逆張り」理論があったのと、ニューヨーク開始後30分、特に後半15分間の小さなもち合いの値動きを『もしかして』と感じとっていたからだ。それと、5波が終了したのではなく、下げの3波動目がエクステンションした可能性を思い起こしたからだろう。
それと、その夜のお供に日本酒の熱燗ではなく、焼酎のお湯割りを選んだことも被害を最小限に抑えられたことの最大の原因かもしれない。シラフに戻されるのが比較的早かった。
39880円ショートを入れたあと、買玉2枚を次々に利確した。売り方の目標が38200円であることが明白になった。1枚でもホールド玉を処分しておかねばならない。エライ損やで。特に以前からのホールド玉は含み益を大きく損なってからの利確だ。ショックは大きい。
・・・このあとはもうわかりません。
以上。
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