トランプが習近平に媚びてきたような発言をしているのは、米国債金利がまた急騰してきたからと言われている。もし中国がアメリカの弱みにつけ込む作戦で売っているのなら、大変なことになる。ベッセント氏でも予期できなかったのだろうか。
これもまた米中貿易戦争の一事象であろう。習近平は腹をくくったのかもしれない。強く出れば、トランプは東アジア全部を米国債換金と引き換えに差し出す密約を結ぶかもしれない。杞憂に終わればいいが。
ともあれ、225相場はどうやらもち合いに入ったようである。底値は脱したのか、まだまだ底を見せていないのか、投資家の意見は割れている。トランプ関税問題はとりあえず90日間の猶予をもらったからだろう。しかし猶予ということは単に先延ばしにされただけのことであるから、期限が近づけばまた蒸し返される。ここ3か月ははっきりとしたポジションをとることは難しくなった。
が、「ここから3か月間もち合いでっせ」では予想にも何にもならない。コンシュウの話をしよう。
・・・・・・
残念ながら、筆者の相場観は変わってしまった。先週月曜日の安値が大底という気持ちでトレードを組み立ててきたが、どうやらその大底感は怪しくなってきたのである。
きっかけは木曜日。水曜日のナイトセッションで大幅高を引き継いだ後の東京市場は朝から売られ続けた。推進3波としてのレッキとした証拠を見せてほしかったが、期待ははく奪された格好だ。
それでも心根の優しい筆者は「この下落は上昇3波中の2波としての下落だ」として、相場にはっぱをかけたつもりであったが、金曜日のはっきりしない態度を見せられて、意を決したというわけである。
しかし、単に「もち合い」と言うだけなら、エリオット波動原理主義者としては失格である。何のもち合いか、何波の波動なのか、その形態は?など、波動について言及しなければ気がすまないのである。あるいは最低限、上下どちらに動くのかということは言明しなければならないと思っている。
火曜日記事では衝撃波の絶対的ルール「1波と4波は重ならない」は実体ベースであれば可能ということで、月曜日の安値を受け入れた。その時の宿題が残っている。では今後さらに安値更新をした場合、波動カウントはどうなるのだろうかという問題である。
そうなったら③ー4波の資格は失うのである。変えるしかないだろう。そして、新しいシナリオが浮上してきたのである。
【日足】
もしかして、現在地は③ー4波調整波動ではなく、レッキとした④波になっているのではないだろうか。
これまで③ー4波の形態として、トライアングル説やフラット説を吹聴していたが、図のように、③ー4波は昨年8月の暴落(ジグザグ形)で終了、その後の③ー5波は③ー3波の頂点に届かずに下落してしまうというフェイラー現象で、形態はエンディング・ダイアゴナルとして③波全体を終了させてしまったというシナリオだ。
これなら、③-5波終了後のダイアゴナル始点(昨年8月安値)までの急ぎ旅(特に後半の)の意味も納得がいく。またヒゲだけでの③ー1波割れも言い訳することなく自然と受け入れられる。
それともっと大きな問題は、当面の底値を付けた後の直近の上昇波動が、推進波ではなく、どうも調整波くさいと考え出したからである。
③ー4波のトライアングル説やフラット説は消滅あるいは終了したと思われる今、あるとしたら③ー5波の上昇波動が始まっているはずである。しかし、その初期段階として大目に見てやっても、その足取りはよちよちすぎて、やはりジグザグ修正波(複合修正も)のような気がしてきたのだ。
(※ただし、もっともっと大目に見れば、ダイアゴナル形の1波途中かもしれない。これは可能性としてはありうる。月曜日にでも判決が出るだろう。)
もしそうなら、まだ月曜日の安値30650円を下回ることも十分考えられる。しかも上記絶対的ルールに則れば、2018年10月6日につけた①波頂点=24448円近辺までの下落が許容されることにもつながってしまうのだ。げに恐ろしきシナリオではないか。(恐ろしいけど、本気にしちゃいけないよ。)
・・・ところでさきほど、こんな恐ろしいシナリオを思いついたのは、木、金曜日の不甲斐ない上昇のせいと書いた。が、実体験で言うなら、以下のような売トレードばかりが目についたからでもある。
【15分足】
図中①についてはすでに金曜朝記事にて言及している。そしてその当日朝の寄付き直後、ナイトセッション寄付き直後と3連続で同じ作戦を実行、そこそこの利益を手にした。ダマシのB波3山(別名・斜め三尊)ショート作戦である。
これら一連の下げ相場は、筆者のスイング持ち玉が買い超になっているため、やむなく行った作戦である。含み益を少しでも守るために遂行したヘッジトレードである。上昇ならばほったらかしでも構わないが、下落するのがわかっていたら、指を咥えたままではすまされない。
やむなく行ったトレードではあるが、あんなにもうまく事が運んだことが筆者のそれまでの相場観に微妙に影を落としたこともまた事実である。
『まだ下落は終わっていないのかも』。
そして、もっともっと大それたシナリオにたどり着いた。
前チャートでの②番、③番の山を巻き込んで新たに④番までで、ひとまわり大きな斜め三尊を形成したとしたら・・・。月曜日、ここから上昇せず下落、上昇してもそれほど大きくなかったとしたら、そして赤色ラインを割りこんでしまったとしたら・・・。
なんと悪魔的な作図であろう。これはいけないルージュマジックだ。やめておこう。筆者にしてみても、ここまで断言する気はない。上のシナリオ説を本気で確信しているわけでもないし、本来は上昇相場を望んでいるのである。
・・・・・・
だが、上記のことは次のチャート読解にも影響を及ぼしてしまったことも否めない。
【現物225指数・変則週足】
やはり不満である。変則週足の締め日である木曜日大引け時点では希望があった。非常に明るい希望に満ちた将来像であった。翌日金曜日に上放れて上伸してくれれば、そして翌週(今週)木曜日まで上昇トレンドを維持してくれれば、その週足像は「明けの明星」の変形種となって、天底転換はほぼ確実なものとなるはずだったのだ。
だが意に反し、金曜日は下放れた。それでも大きく上昇してくれれば期待がはがれることはなかった。しかし、下ヒゲを残して反発したとはいえ、とても明日につながるローソク足とは言えないだろう。
こうなりゃ、今週は下ヒゲ試し。先週の週足始値(4/4の34304円、緑色ライン)が上値抵抗線になって、下方向への動き、あのミニ先物での安値30650円が本当に大底なのかどうかを再調査する動きになるような気がしてきたのである。
が、まだ希望を捨てたわけではない。ありがたいことに金曜日ナイトセッションは大きく上昇した。明日月曜日はそのナイトセッションの上昇を引き継いでさらに大きく上昇し、あの壁を突破してくれるような勢いになったのなら、そして、木曜日大引けで前週(先週)木曜日の高値を大きく更新してくれたら、それはツツミ足、それもまたりっぱな「明けの明星」の変形種と言われるものだ。来週からはさらに上値を追っていける体勢が整ったことになろう。
※スマホ製品だけは相互関税から除外するという自分勝手な報もあった。我が国ではアップル製品関連会社、半導体関連も多いから、月曜日自体は上昇の可能性も高いような気もしているが。
・・・・・・
【まとめ】
今週は保ち合い、レンジで言うなら34500円~31000円の保合い相場の様相が強いだろうと感じている。
このレンジを放れるのは、今週末の米国SQ日、あるいは翌週の月曜日からか。先月に続いて今月もまた米国SQ日にゲタを預ける形になった。米国の投資家たちがこの混迷相場に結論を出してくれるだろう。もち、週中でも放れは起こりうる。決め打ちはできない。
なお、上で言った日足④波シナリオ説が本当なら、この先どういう道筋になるかはすでにわかっているがここでは割愛する。3通りくらいあると思われるが、読者も各自いろいろ作図して妄想するといいだろう。次のローソク足を想像する、それがリスクをとるということにつながっていくのである。
・・・・・・
では、明日月曜日の戦略会議に移ろう。
1時間足チャートを広げよう。
すべては現物指数34304円(緑色点線)である。ここを上抜けるかどうかにかかっている。見るべきはまずそれであり、それだけで足りる。
<重要ライン>
①40975〜41310・・・日中マド1
②40225~40595・・・日中マド2
③38730~38885・・・日中マド3
④37595~37615・・・日中マド4
⑤36165~36895・・・日中マド5
⑥36095~36345・・・旧・4時間足底ネックゾーン
⑦35750・・・1時間足480MA
⑧35140・・・直近高値
⑨35085~35445・・・日中マド6
⑩34950・・・上昇転換ライン
(参考)34304・・・現物225指数・変則週足の前週始値
⑪34205・・・4時間足上値メド2
⑫34080・・・日足直近上昇の23.6%押し
⑬33945・・・4時間足上値メド1
⑭33730・・・ナイトセッション・バリュー上限値
※33720・・・ナイトセッション終値
⑮33715~34135・・・(改)日中マド7
⑯33495~33340・・・ナイトセッション上昇浅押しゾーン
⑰33305・・・5日線処
⑱33215・・・ナイトセッション・ハーフバリュー
⑲32800・・・ナイトセッション・バリュー下限値
⑳32795・・・4時間足下値メド
㉑32645~32330・・・(新)日中マド8
㉒32090・・・下落転換ライン
㉓31710・・・日足直近上昇の76.4%押し
㉔31065・・・1時間足ジグザグ下落N値
㊶30650・・・直近安値
㊷23430,29070,28350・・・5波底候補値
※参考価格34304円について・・・
これは現物指数であるから、相当する先物価格が時間外で突破するしないは考慮しない。あくまで東京時間、現物株が動いている時間に関してだけの指標となる。ということは、時間外で突破するかもしれないが、したとしてもそれだけではカイ転換したとは言えない。必ず東京時間での信認が必要なのである。
<詳細>
金曜日朝記事にて夢想したように、③ー3波の上昇につながるなら、必ずや34304円は突破してくるだろう。買えばいい。
ただし、突破後であっても、抵抗が強くすぐに上昇トレンド!スタート!!というわけにはいかないだろう。利確が正解か。⑧突破でやっと一息入れられるだろうが、特に⑦は強力で1回は必ず売られる運命にある。
しかし、またしてもナイトの上昇を裏切るような、下放れでの寄付きや、寄付き後即の大下落、ちょっと上昇を見せておいてからのはしご外しなどが行われたら、即刻ウリである。
図中青色②番からの動きは緩慢で、どうしてもダマシのB波に見えてしまっている自分が嘆かわしいのであるが、寄付き後上昇があったとしても⑫辺り、あるいは⑮のマド埋め完了までが精一杯なような気がしている。この辺りは不確かな感覚なのでローソク足やチャートパターンなどを参考にすればいいだろう。筆者は1回は売ってみるつもりだ。
押し目を待っての買いなら⑯ゾーンだ。相場の買い気が強ければ⑯内に入り込まず、あるいは一瞬の侵入で上昇に転じていくだろう。
まあ、このチャートはどのようにも動くチャートだ。稼ぎ方はたくさんある。筆者は上で書いたように、買い超なので、特に下落だけに的を絞って見ていくこととする。
ボラは高く、セッション値幅は連日1000円幅はある。直近の傾向としては、寄付きから上下どちらかに500円幅動いたら反転、今度は逆側に1000円幅動くということになっている。直近の動き通りならこんな感じの逆張りトレードで大金を狙おうではないか。
<ポジション>
売1(37200台) 変わらず
買3(31000トビ台、31200台、31600台) 変わらず
相場観に変化が生じてきたので、売玉を増やし買玉を減らす方向で調整することになる。まずは本日1枚でも売玉を。
<前日感想戦>
割愛。
この日は買気が総じて強かったにもかかわらず、逆張りのウリに傾いていた筆者。後場からの上昇も半分しか獲れず、早々にゲームセットしている。ハイボラ相場に疲れているのであろう。
以上。
0 件のコメント:
コメントを投稿